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メルカド

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メルカド
スペイン語で、”市場”のこと。

スーペルメルカド 
スペイン語で、”スーパーマーケット”のこと。




アンティグアの町には、大きなスーペルメルカドがある。
店名を’ボデゴナ’という。宿からも近くて便利。

平日は午後2時から6時まで学校に行き、毎日学校帰りにボデゴナに寄って、
あらかじめ決めておいた献立に沿って夕食の買い物をする。
本当はメルカドに行きたいのだけど、夕方6時過ぎ、メルカドの店の大半はもう閉まっている。

夕方、買い物時の混みあったレジに並び、買い忘れがないかもう一度考える。
(が、それでも3日に1度は、なにかしら買い忘れる)
主婦だけど学生、学生だけど主婦。
主婦にはなったことがないし、学生になるのは久しぶりだ。
それをいっぺんに体験する、非日常的な旅の日常。


メルカド_e0040591_16183223.jpg学校のない土曜日はメルカドへ行く。
アンティグアのメルカドは、土曜が盛り上がるのだ。
野菜、肉、果物、花、日用雑貨品。
ごちゃごちゃと店がひしめき合う市場内では、
スリに気をつけなくちゃならない。
以前、ウズベキスタンの市場で、
鞄の中の財布を掏られたことがある。

土曜のメルカドは、前へ進むのが大変なほどの人出。
そこをかき分け、目当てのものを探し、
インディヘナのおばちゃんたちと値段交渉をする。


Hector先生のお陰で、スペイン語での値段交渉にもずいぶん慣れてきた。
 ・相場を知っておくこと。
 ・さもこの町で長く暮らす外国人であるかのように、堂々と交渉すること。
これが秘訣。
山ほどの野菜や肉をボデゴナより何割も安く買って、「できる主婦だ・・・」とひとり悦に入る。
が、次の瞬間、「それなのに、なぜいまだ嫁にいけていないのか?」という疑問が浮かび、
考えても答が出せず、へこむ。

買い物に疲れ、墓穴を掘りかねない自問自答で更に疲れ、メルカドの片隅で休む。
目の前を早足で駆け抜けていくたくさんの人。
果物や野菜を満載した荷車が、その流れを一瞬止める。
荷車が細い路地を曲がり、人々の流れは再び一定の速度を取り戻す。
あちこちから聞こえる威勢のいい売り子の声。
年老いた人、赤ん坊、裕福な人、貧しい人、インディヘナ、ラティーノ、外国人。

屋根をたたく雨の音が聞こえてきた。宿に帰らなきゃ行けない。
しかし、腰が上がらない。市場内に満ちた活気と熱気から離れられない。

と、籠いっぱいのじゃがいもを持った小さな女の子が、わたしの傍へ寄ってきた。
「1ケツァール」と、一袋わたしに差し出す。
じゃがいもはもう買っちゃったんだけどな・・・と思いつつ、
可愛い女の子には弱いので、つい買ってしまう。

「グラッシアス、チキータ」とわたしが言うと、まだ10歳にもなっていないだろう彼女は、
恥ずかしそうに笑って走り去り、人ごみの中に消えてしまった。

by tomokoy77 | 2005-08-03 17:18 | Guatemala  

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