メルカド
メルカド
スペイン語で、”市場”のこと。
スーペルメルカド
スペイン語で、”スーパーマーケット”のこと。
アンティグアの町には、大きなスーペルメルカドがある。
店名を’ボデゴナ’という。宿からも近くて便利。
平日は午後2時から6時まで学校に行き、毎日学校帰りにボデゴナに寄って、
あらかじめ決めておいた献立に沿って夕食の買い物をする。
本当はメルカドに行きたいのだけど、夕方6時過ぎ、メルカドの店の大半はもう閉まっている。
夕方、買い物時の混みあったレジに並び、買い忘れがないかもう一度考える。
(が、それでも3日に1度は、なにかしら買い忘れる)
主婦だけど学生、学生だけど主婦。
主婦にはなったことがないし、学生になるのは久しぶりだ。
それをいっぺんに体験する、非日常的な旅の日常。
学校のない土曜日はメルカドへ行く。
アンティグアのメルカドは、土曜が盛り上がるのだ。
野菜、肉、果物、花、日用雑貨品。
ごちゃごちゃと店がひしめき合う市場内では、
スリに気をつけなくちゃならない。
以前、ウズベキスタンの市場で、
鞄の中の財布を掏られたことがある。
土曜のメルカドは、前へ進むのが大変なほどの人出。
そこをかき分け、目当てのものを探し、
インディヘナのおばちゃんたちと値段交渉をする。
Hector先生のお陰で、スペイン語での値段交渉にもずいぶん慣れてきた。
・相場を知っておくこと。
・さもこの町で長く暮らす外国人であるかのように、堂々と交渉すること。
これが秘訣。
山ほどの野菜や肉をボデゴナより何割も安く買って、「できる主婦だ・・・」とひとり悦に入る。
が、次の瞬間、「それなのに、なぜいまだ嫁にいけていないのか?」という疑問が浮かび、
考えても答が出せず、へこむ。
買い物に疲れ、墓穴を掘りかねない自問自答で更に疲れ、メルカドの片隅で休む。
目の前を早足で駆け抜けていくたくさんの人。
果物や野菜を満載した荷車が、その流れを一瞬止める。
荷車が細い路地を曲がり、人々の流れは再び一定の速度を取り戻す。
あちこちから聞こえる威勢のいい売り子の声。
年老いた人、赤ん坊、裕福な人、貧しい人、インディヘナ、ラティーノ、外国人。
屋根をたたく雨の音が聞こえてきた。宿に帰らなきゃ行けない。
しかし、腰が上がらない。市場内に満ちた活気と熱気から離れられない。
と、籠いっぱいのじゃがいもを持った小さな女の子が、わたしの傍へ寄ってきた。
「1ケツァール」と、一袋わたしに差し出す。
じゃがいもはもう買っちゃったんだけどな・・・と思いつつ、
可愛い女の子には弱いので、つい買ってしまう。
「グラッシアス、チキータ」とわたしが言うと、まだ10歳にもなっていないだろう彼女は、
恥ずかしそうに笑って走り去り、人ごみの中に消えてしまった。
by tomokoy77 | 2005-08-03 17:18 | Guatemala