プリー

e0040591_20462825.jpgベンガル湾に面したオリッサ州の聖地プリー。11年半前、初めてインドを旅したときにも訪れた町だ。

2頭身で漫画のような顔をしたジャガンナートという神様を祀った寺と、プリーから東へ35km行ったコナラークという町にある世界遺産のスーリヤ寺院以外には、取り立てて見所のない町だが、海沿いののんびりした町は風情があって、昔から沈没型旅行者に人気が高い。

町の表通りは11年半前とずいぶん変わっていた。未舗装よりもひどい、壊れた舗装道路はそのままだが、ホテルもレストランも商店も増え、車通りも多く感じられる。それでも、ここへ来てよみがえるいくつかの記憶。
当時泊まっていた宿にお化けがでたこと。クミちゃんという名の女の子にフェイシャルマッサージをしてもらった際、「何も手入れしてないでしょう!」と怒られたこと。巡業のサーカスを見に行って、大きなポスターを貰ってしまい、困りつつも日本に持ち帰ったこと。海岸に水死体が打ち上げられ、カラスと犬が突いていたこと。コナーラクまでレンタサイクルで行き、途中寄ったチャイ屋でタイヤに穴をあけられ、インド人巡礼一家の車に乗せてもらったこと。

賑やかになった表通りと違い、変わらない場所もあった。町外れのフィッシャーマン・ヴィレッジだ。コンクリートの壁に茅葺き屋根の小さな家が所狭しと並ぶ、猟師たちの村。

e0040591_20464057.jpg土間にしゃがんで煮炊きをする女性。洗濯をする老婆と、投網の手入れをする老人。裸で駆けまわる子ども。

「ハロー、ジャパニッ。パイサ?」と声がかかる。「ねえ、そこの日本人。お金ちょうだいよ」という意味だ。
「パイサ、ナヒーン(お金ないよ)」とやり過ごしても、相手は笑顔だ。この町ではどこに行っても「ジャパ二ッ!」と声がかかる。

ここ10年で日本人旅行者が減り、代わりに韓国人旅行者が爆発的に増えたインドでは、かつて日本人宿と呼ばれた宿が韓国人宿化し、町なかでも「アニョハセヨー」「コリアー」と声をかけられることが多くなった。

ここは昔と変わらない。「グッモルニン、ジャパニッ(おはよう、日本人)」と声がかかる。
記憶と違う光景に戸惑い、懐かしい光景を目にして安堵するのは、どうしてだろう。
[PR]

by tomokoy77 | 2007-01-18 20:41 | India  

<< 余さず食べたい 切るか 切らぬか >>