「南インドでどこが良かった?」と聞くと、「ハンピ」と答える旅行者に、これまでたくさん会った。中には「この世の風景じゃないみたい」と言う人までいて、期待が大きすぎたのかもしれないが、2日間の遺跡めぐりを終えての感想といえば、村の周囲に打ち捨てられたように残る建造物は、盛者必衰的な趣があって、なるほど遺跡好きにはたまらない場所かもしれないが、そうじゃない人にとってみれば、目立って面白いものがある場所ではない。
田舎の風情といくらかの自然が残っているとはいえ、村はもう十分に観光開発されており、長逗留しようとも思わない。巨石の転がる風景は確かに不思議だが、この世のものではないと思うほどでもない。
石窟だの巨大寺院だの緻密なレリーフだのといったものよりも、わたしはそこに住む生き物を見ているほうがずっと面白い。例えそれが見慣れた動物であっても。
この村には牛と猿が多い。どちらもヒンドゥーの世界では神様だが、路上の果物売りにとってはどちらもやっかいな存在のようだ。
店主は長い棒を手に、地上から突進してくる牛と、屋根づたいに飛んでくる猿とを常に警戒し、どちらがやってきても容赦なく棒で追い払う。
牛はその巨体を生かし、猿は知恵を生かして攻撃に出る。店主たちには悪いが、その攻防戦は遺跡見学よりずっと興味深く、見飽きることが無かった。
田舎の風情といくらかの自然が残っているとはいえ、村はもう十分に観光開発されており、長逗留しようとも思わない。巨石の転がる風景は確かに不思議だが、この世のものではないと思うほどでもない。
石窟だの巨大寺院だの緻密なレリーフだのといったものよりも、わたしはそこに住む生き物を見ているほうがずっと面白い。例えそれが見慣れた動物であっても。
この村には牛と猿が多い。どちらもヒンドゥーの世界では神様だが、路上の果物売りにとってはどちらもやっかいな存在のようだ。
店主は長い棒を手に、地上から突進してくる牛と、屋根づたいに飛んでくる猿とを常に警戒し、どちらがやってきても容赦なく棒で追い払う。
牛はその巨体を生かし、猿は知恵を生かして攻撃に出る。店主たちには悪いが、その攻防戦は遺跡見学よりずっと興味深く、見飽きることが無かった。
# by tomokoy77 | 2007-01-11 16:58 | India