先生
「K子を探してるの?」
Vilcabanba の村を散歩していたら、
10歳くらいの女の子に突然尋ねられた。
その後も2度同じことがあった。
「K子の友達なの?」 「K子を知ってる?」
・・・K子って誰?
K子さんは、青年海外協力隊員として、この村の小学校で音楽と体育を教える先生だった。
小さな村で、K子さんの家はすぐに見つかった。
突然訪ねてきた私たちを、K子さんは快く家に上げてくれ、
スパゲティとお好み焼きをご馳走してくれた。
(久しぶりに鰹節を食べた。旨い!K子さんありがとうねえ)
もう村を出るつもりだった私たちは、予定を変更。
延泊を決め、K子さんの住むホテルに移動した。
「子どもっちの遊び道具を作りに行かない?」 と、K子さんが言った。
この日は臨時休校。
学校はホテルのすぐ隣にある。
段ボール箱に細工してつなげ、トンネルを作ることに。
ガリガリとダンボールに穴を開け、窓を作る。
こういうのは得意なのだ。文化祭の準備みたいで懐かしい。
大雨が降り、日が落ちるころ、
手作りトンネルはようやく完成。
わたしとK子さんは一歳違い。
働くK子さんと旅する私の立場はずいぶん違うけれど、
この晩夜遅くまでいろんな話をした。
翌日は快晴。久しぶりに7時前起床。
5~6歳の子どもたちは、トンネルをセットすると、
我先にと中に入っておおはしゃぎ。
ペンキを用意して子どもたちの手に塗り、
トンネルの壁にスタンプさせる。
服にいっぱいペンキがついちゃった。
家に帰って、みんな怒られないといいんだけど。
30分の中休み。
校庭のすみに、先生たち手作りのおやつが並ぶ
即席商店ができあがっている。
どうやらこれは先生のサイドビジネスになっているらしい。
校庭では、K子さんが教えたのだろう、
長縄跳びをしている女の子たちがいる。
後半は音楽の授業。
たて笛と、日本から送ってもらったというピアニカ。
たて笛もピアニカも、何年ぶりに触るだろう。
K子さんのピアノに合わせ、黒板の前に立ってたて笛を吹く。
緊張!子どもの視線が痛いよー。
わたしの両親は教師で、母は今も小学校で働いている。
この前一時帰国したとき、新一年生の教室に貼る掲示物を一緒に作った。
K子さんの学校で1日遊ばせてもらいながら、
母はこういう仕事をずっとしてきたんだなと思った。
体力がいる。根気が要る。
決して楽な仕事じゃない。
でも、なんてやりがいのあるいい仕事だろうと、
今更ながら、両親を誇りに思った。
村を出る夜。バス停までK子さんが見送りに来てくれた。
ペルー行きの国際バスに乗る私たちを見て、K子さんは「いいなあ」とうらやましそう。
治安上の問題から、エクアドルで働く隊員のペルー入国は禁止されているという。
留まる者。 動く者。
わたしもいつか、ここと思う場所に留まって、
根を下ろして暮らしたいと思った。
でも、今は動く。旅をする。
K子さん、ごめん。先にペルーに行くね。
K子さんは、きっと子どもたちの記憶に残る先生になれるよ。
いつか、また会おう。
Vilcabanba の村を散歩していたら、
10歳くらいの女の子に突然尋ねられた。
その後も2度同じことがあった。
「K子の友達なの?」 「K子を知ってる?」
・・・K子って誰?
K子さんは、青年海外協力隊員として、この村の小学校で音楽と体育を教える先生だった。
小さな村で、K子さんの家はすぐに見つかった。
突然訪ねてきた私たちを、K子さんは快く家に上げてくれ、
スパゲティとお好み焼きをご馳走してくれた。
(久しぶりに鰹節を食べた。旨い!K子さんありがとうねえ)
もう村を出るつもりだった私たちは、予定を変更。
延泊を決め、K子さんの住むホテルに移動した。
「子どもっちの遊び道具を作りに行かない?」 と、K子さんが言った。
この日は臨時休校。
学校はホテルのすぐ隣にある。
段ボール箱に細工してつなげ、トンネルを作ることに。
ガリガリとダンボールに穴を開け、窓を作る。
こういうのは得意なのだ。文化祭の準備みたいで懐かしい。
大雨が降り、日が落ちるころ、
手作りトンネルはようやく完成。
わたしとK子さんは一歳違い。
働くK子さんと旅する私の立場はずいぶん違うけれど、
この晩夜遅くまでいろんな話をした。
翌日は快晴。久しぶりに7時前起床。
5~6歳の子どもたちは、トンネルをセットすると、
我先にと中に入っておおはしゃぎ。
ペンキを用意して子どもたちの手に塗り、
トンネルの壁にスタンプさせる。
服にいっぱいペンキがついちゃった。
家に帰って、みんな怒られないといいんだけど。
30分の中休み。
校庭のすみに、先生たち手作りのおやつが並ぶ
即席商店ができあがっている。
どうやらこれは先生のサイドビジネスになっているらしい。
校庭では、K子さんが教えたのだろう、
長縄跳びをしている女の子たちがいる。
後半は音楽の授業。
たて笛と、日本から送ってもらったというピアニカ。
たて笛もピアニカも、何年ぶりに触るだろう。
K子さんのピアノに合わせ、黒板の前に立ってたて笛を吹く。
緊張!子どもの視線が痛いよー。
わたしの両親は教師で、母は今も小学校で働いている。
この前一時帰国したとき、新一年生の教室に貼る掲示物を一緒に作った。
K子さんの学校で1日遊ばせてもらいながら、
母はこういう仕事をずっとしてきたんだなと思った。
体力がいる。根気が要る。
決して楽な仕事じゃない。
でも、なんてやりがいのあるいい仕事だろうと、
今更ながら、両親を誇りに思った。
村を出る夜。バス停までK子さんが見送りに来てくれた。
ペルー行きの国際バスに乗る私たちを見て、K子さんは「いいなあ」とうらやましそう。
治安上の問題から、エクアドルで働く隊員のペルー入国は禁止されているという。
留まる者。 動く者。
わたしもいつか、ここと思う場所に留まって、
根を下ろして暮らしたいと思った。
でも、今は動く。旅をする。
K子さん、ごめん。先にペルーに行くね。
K子さんは、きっと子どもたちの記憶に残る先生になれるよ。
いつか、また会おう。
by tomokoy77 | 2005-10-12 09:16 | Ecuador