ハイダラバード市内からバスで1時間ほどの場所に、Ramoji Film City というテーマパークがある。2002年度版のガイドブック‘地球の歩き方‘には、将来はインド版ユニバーサルスタジオか?と紹介されているこの映画アミューズメントパークへ行ってきた。入場料は250Rs(700円)だ。
インドは年間映画製作本数世界一(800本以上)を誇る映画大国。1本平均3時間の映画に、恋愛も友情もミステリーもバイオレンスもSFも、すべて押し込んだこのインド映画がわたしは好きで、さして詳しくはないが好きな俳優もいる。
そういうわけで、前日からツアーバスを予約し、かなり期待してRamojiを訪れた。
パークの入り口には「世界一大きなテーマパーク!ギネスブックにも載りました」と大書して客の期待をあおる。しかし、何のことはない、それは敷地面積においてであって、入場券を手にゲートをくぐった後、専用バスに乗ってアミューズメントらしい場所にたどり着くまで15分。占有敷地内であるはずなのに、道中明らかに一般の人が暮らしている小さな町を通過したりして、なんだか騙された気分。
園内に入り、まずは見所を1周する観光バスに乗った。朝からバスにばかり乗っている。このバスはオープンバスになっており、ガイドの説明を聞きながら進むのだが、ガイドが何を言っているのか、英語じゃないのでさっぱり分からない。
30分くらいかけて、撮影用の公園や町並み、空港などのセットを見て周る。公園はどれも広く、立派だが、セットは作りが粗い。もしやどこかで撮影中では?シャールーク・カーンに会ったらどうしよう!などと期待を胸に訪れたのに、炎天下の公園内は、歩く人すらまばらだった。
観光バスをおりて向かったのは Muvie Magic という一角。そのポップな建物群はディズニーランドそっくり。中には4つのアトラクションがあった。
映画製作の工程や効果音の作り方を実演してくれるもの。
世界の様子を人形で紹介する、ディズニーランドのリトルワールドうりふたつのもの。
西部劇。そしてインド人による踊りと、なぜか中国雑技団風の出しもの。
面白かったのは一番最後の雑技。映画と何の関係があるのか分からないし、しかも演じているのは全員中国人(タイ人のようにも見える)。しかしその妙技には真剣に見入ってしまった。
結果からいえば、それはとてもユニバーサルスタジオに及ぶものではなかった。映画大国の映画アミューズメントパークなのに、インド映画に関するものといえば、過去いくつかのヒット作のポスターと、スターの彫刻だけで、ハリウッド映画のキャラクターがあちこちにいたし、映画と関係ないアトラクションも多いし、シャールーク・カーンやアイシュワリヤ・ラーイとの夢の対面も、夢のまま終わった。
ここを訪れた日本人旅行者から不満の声が殺到したのか、最新の2007年度版‘地球の歩き方‘からは、Ramoji に関する記載が、一切削除されている。