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明日のジョー

明日のジョー_e0040591_21124959.jpgプリーの宿、SANTANA Lodge には、5000冊を超える日本の本がある。

その中に、見つけた。「明日のジョー 全13巻」。
言わずと知れた、ボクシング漫画。東京のドヤ街を舞台に、丹下とジョーが人生のすべてをボクシングに懸ける物語。

メキシコのサンクリストバルで3巻まで読んだ。あれから1年半。ようやく全巻読み終えた。
熱い漫画だった。まわりの気温が数度上がったように感じるくらい、熱い熱い漫画だった。

# by tomokoy77 | 2007-01-20 21:12 | India  

余さず食べたい

プリーの浜へ行く。大漁大漁。いわしにしようかひらめにしようか。小さい魚はさばくのが面倒だからと、結局大きなかつおを1尾買って宿に帰る。

余さず食べたい_e0040591_2195958.jpgコヴァラムのときと同様に、シャワー室の床をかつおの血で真っ赤にそめながら、3枚におろす。ひれを取り、皮をはぎ、1時間かけて刺身にする。
数時間前までベンガル湾を泳ぎまわっていたかつお。スーパーでパックに入って売られている、どこか知らない土地から来た魚とは違う。浜へ行き、猟師が水揚げする様を見て、まだ網の中に入っている中から買ったもの。台所さえあれば、頭も骨も、あら煮にして余さず食べたい。

「いただきます」と手を合わせ、頭を下げる。一片を口に放り込む。しょうがの辛さにも醤油の甘さにも負けない、生き物の味がする。自分で釣った魚なら、もっと旨いだろう。帰ったらどこか釣りに行こうと思う。

# by tomokoy77 | 2007-01-19 20:56 | India  

プリー

プリー_e0040591_20462825.jpgベンガル湾に面したオリッサ州の聖地プリー。11年半前、初めてインドを旅したときにも訪れた町だ。

2頭身で漫画のような顔をしたジャガンナートという神様を祀った寺と、プリーから東へ35km行ったコナラークという町にある世界遺産のスーリヤ寺院以外には、取り立てて見所のない町だが、海沿いののんびりした町は風情があって、昔から沈没型旅行者に人気が高い。

町の表通りは11年半前とずいぶん変わっていた。未舗装よりもひどい、壊れた舗装道路はそのままだが、ホテルもレストランも商店も増え、車通りも多く感じられる。それでも、ここへ来てよみがえるいくつかの記憶。
当時泊まっていた宿にお化けがでたこと。クミちゃんという名の女の子にフェイシャルマッサージをしてもらった際、「何も手入れしてないでしょう!」と怒られたこと。巡業のサーカスを見に行って、大きなポスターを貰ってしまい、困りつつも日本に持ち帰ったこと。海岸に水死体が打ち上げられ、カラスと犬が突いていたこと。コナーラクまでレンタサイクルで行き、途中寄ったチャイ屋でタイヤに穴をあけられ、インド人巡礼一家の車に乗せてもらったこと。

賑やかになった表通りと違い、変わらない場所もあった。町外れのフィッシャーマン・ヴィレッジだ。コンクリートの壁に茅葺き屋根の小さな家が所狭しと並ぶ、猟師たちの村。

プリー_e0040591_20464057.jpg土間にしゃがんで煮炊きをする女性。洗濯をする老婆と、投網の手入れをする老人。裸で駆けまわる子ども。

「ハロー、ジャパニッ。パイサ?」と声がかかる。「ねえ、そこの日本人。お金ちょうだいよ」という意味だ。
「パイサ、ナヒーン(お金ないよ)」とやり過ごしても、相手は笑顔だ。この町ではどこに行っても「ジャパ二ッ!」と声がかかる。

ここ10年で日本人旅行者が減り、代わりに韓国人旅行者が爆発的に増えたインドでは、かつて日本人宿と呼ばれた宿が韓国人宿化し、町なかでも「アニョハセヨー」「コリアー」と声をかけられることが多くなった。

ここは昔と変わらない。「グッモルニン、ジャパニッ(おはよう、日本人)」と声がかかる。
記憶と違う光景に戸惑い、懐かしい光景を目にして安堵するのは、どうしてだろう。

# by tomokoy77 | 2007-01-18 20:41 | India  

切るか 切らぬか

最後に美容室で髪を切ったのは、一時帰国した2004年11月のこと。それから2年以上、時々自分で前髪を切ったり、毛先を少し揃えたりはするものの、ほとんど放ったらかしの状態。おかげでずいぶん髪が長くなった。
こんなに長くのばしたことはこれまで一度もなく、従って髪の結い方というものを知らない。結果、いつも後ろでひとくくりに束ねるという、事務員みたいなヘアスタイルになる。

切るか 切らぬか_e0040591_22331115.jpg長いと言っても、肩甲骨が隠れるか隠れないか程度の長さなのだが、いかんせん経験がないため重く感じられて仕方がない。肩まで凝るような気がする。

髪を洗うのだって一苦労だ。洗髪というより洗濯といったほうが適切なほど、それは面倒くさく重労働だ。おまけに北上するにつれて気温が下がっていく今、洗った髪はなかなか乾かず、寒くて風邪をひきそうだ。

長い髪を維持するって大変なことなんだなあと、身にしみて感じる今日この頃。毛先が傷んで茶色くなってきたし、そろそろ切りどきか。それともこのままのばしてマフラー代わりにするか。目下思案中。

# by tomokoy77 | 2007-01-17 22:32 | India  

インド版 ユニバーサルスタジオ

インド版 ユニバーサルスタジオ_e0040591_22272970.jpgインド版 ユニバーサルスタジオ_e0040591_22274536.jpg
ハイダラバード市内からバスで1時間ほどの場所に、Ramoji Film City というテーマパークがある。2002年度版のガイドブック‘地球の歩き方‘には、将来はインド版ユニバーサルスタジオか?と紹介されているこの映画アミューズメントパークへ行ってきた。入場料は250Rs(700円)だ。
インドは年間映画製作本数世界一(800本以上)を誇る映画大国。1本平均3時間の映画に、恋愛も友情もミステリーもバイオレンスもSFも、すべて押し込んだこのインド映画がわたしは好きで、さして詳しくはないが好きな俳優もいる。
そういうわけで、前日からツアーバスを予約し、かなり期待してRamojiを訪れた。

インド版 ユニバーサルスタジオ_e0040591_22275812.jpgインド版 ユニバーサルスタジオ_e0040591_22282671.jpg
パークの入り口には「世界一大きなテーマパーク!ギネスブックにも載りました」と大書して客の期待をあおる。しかし、何のことはない、それは敷地面積においてであって、入場券を手にゲートをくぐった後、専用バスに乗ってアミューズメントらしい場所にたどり着くまで15分。占有敷地内であるはずなのに、道中明らかに一般の人が暮らしている小さな町を通過したりして、なんだか騙された気分。

インド版 ユニバーサルスタジオ_e0040591_22283871.jpgインド版 ユニバーサルスタジオ_e0040591_22285084.jpg
園内に入り、まずは見所を1周する観光バスに乗った。朝からバスにばかり乗っている。このバスはオープンバスになっており、ガイドの説明を聞きながら進むのだが、ガイドが何を言っているのか、英語じゃないのでさっぱり分からない。
30分くらいかけて、撮影用の公園や町並み、空港などのセットを見て周る。公園はどれも広く、立派だが、セットは作りが粗い。もしやどこかで撮影中では?シャールーク・カーンに会ったらどうしよう!などと期待を胸に訪れたのに、炎天下の公園内は、歩く人すらまばらだった。

インド版 ユニバーサルスタジオ_e0040591_22295111.jpgインド版 ユニバーサルスタジオ_e0040591_22292599.jpg
観光バスをおりて向かったのは Muvie Magic という一角。そのポップな建物群はディズニーランドそっくり。中には4つのアトラクションがあった。
映画製作の工程や効果音の作り方を実演してくれるもの。
世界の様子を人形で紹介する、ディズニーランドのリトルワールドうりふたつのもの。
西部劇。そしてインド人による踊りと、なぜか中国雑技団風の出しもの。
面白かったのは一番最後の雑技。映画と何の関係があるのか分からないし、しかも演じているのは全員中国人(タイ人のようにも見える)。しかしその妙技には真剣に見入ってしまった。

インド版 ユニバーサルスタジオ_e0040591_2229477.jpgインド版 ユニバーサルスタジオ_e0040591_2230591.jpg
結果からいえば、それはとてもユニバーサルスタジオに及ぶものではなかった。映画大国の映画アミューズメントパークなのに、インド映画に関するものといえば、過去いくつかのヒット作のポスターと、スターの彫刻だけで、ハリウッド映画のキャラクターがあちこちにいたし、映画と関係ないアトラクションも多いし、シャールーク・カーンやアイシュワリヤ・ラーイとの夢の対面も、夢のまま終わった。
ここを訪れた日本人旅行者から不満の声が殺到したのか、最新の2007年度版‘地球の歩き方‘からは、Ramoji に関する記載が、一切削除されている。

# by tomokoy77 | 2007-01-16 22:30 | India